自動車の自動運転制御、超高層ビルの制振制御、スマート社会におけるエネルギー制御、いずれも対象とする物またはシステムを自分の思うようにコントロールする(操る)ことを目指しています。制御する対象は様々ですが、望み通りの制御を実現するシステムを開発するプロセス(手順)は、ほぼ一貫していて、制御対象の特性を的確に表わすモデル(表現)を得るモデリング、制御対象の特性を調べる解析、仕様(求められる性能)を満たすコントローラの設計、性能を評価するシミュレーション、ハードウェアによる実装という作業が繰り返されます。近年、制御対象が複雑化し、システムへの要求が高度化する中で、環境問題や防災等に迅速に対応するため開発期間の短縮が求められています。
システム制御理論を実際のシステムに適用する場合には、解析や設計のための行列計算やシミュレーション計算のような複雑な計算処理が必要です。また,実際のシステムに適用するには、コンピュータによる実現を支援するツールも重要な意味をもってきます。当研究室では、 制御系開発の情報技術による総合的支援を行うための研究を行っています。
最新のコンピュータやスマート端末等のハードウェア、先進的なソフトウェア開発手法、そして制御理論や数学を組み合わせることで、高度な制御システムの開発プロセスを効率化する技術を提案しています。さらに、現場で使用できる品質でツールやシステムを開発・実装し、社会に公開・配布を行っています。